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楽曲CD情報 :尾崎豊デビューアルバム「十七才の地図」ソニーレコード SRCL-1910

 

幼い頃、ある絵本から心に「愛」を刻みこんだ尾崎豊。そんな彼が作り出した「I LOVE YOU」は、十代の恋愛の姿を、愛の切なさ、哀しみを含めて見事に表現。それは17歳という年齢と彼の純粋さが生み出した名曲だった。当時彼の側にいた家族、親友、レコーディングディレクターの証言 により、素顔の「尾崎豊」像を浮き彫りにする。

 

26歳という若さでその生涯を終えた尾崎豊。彼が残した名曲「I LOVE YOU」が生まれたのは1983年。尾崎豊が、まだ17歳の時だった。

「I LOVE YOU」が収められている尾崎豊のデビューアルバム、「十七歳の地図」。レコーディングが始まったのは1983年7月。尾崎17歳の夏だった。そのアルバムに収められた曲は、全部で10曲。だが、レコーディングも佳境に入った9月の時点では、まだ9曲しか完成しておらず、「I LOVE YOU」は存在しなかった。レコーディングディレクターを務めた須藤晃は、こう当時を振り返る。
「固めの曲が多かったのでバラードが1曲欲しい、と尾崎に頼んだら、その場で『I LOVE YOU~』と歌い出した。当時の彼の恋愛感を、ラブソングに乗せて歌いたかったのだろう。翌日か翌々日には完成させて持ってきた。」

尾崎豊の家族は、彼が小学校5年生の時に、東京都練馬区から埼玉県朝霞市に転居。朝霞の実家には、今も彼の部屋が当時のままに残されている。兄の康さんが部屋を案内してくれた。
 「高校停学中に、自宅謹慎をしていて、日がなこの部屋でギターを弾いたり、曲作りをしていた。オーディション用のデモテープを作りには、自分のラジカセを持って出かけたのですが、豊の曲が良いので、普段使うと高い機材を特別にタダで使って曲を録音してくれた、と、そのテープを持って帰ってきた」と、康さんは当時を振り返る。
尾崎豊が16歳の時に応募したのは、当時のCBSソニーが行なっていたオーディションだった。そのオーディションを主宰していた稲垣博司は、
「それまで過去3回の優勝者は、全てスタッフの紹介者だったが、彼は一般公募から初めて誕生した記念すべき優勝者。ほとばしる若さ、そのベースにある若者の傷ついたメンタリティを感じた。」と当時の尾崎の印象を語った。
初のオープン応募から合格者となった尾崎豊を担当することになったのが、ディレクターの須藤晃。高校生の尾崎が、須藤に最初に尋ねたことは…
「テレビに出ているような芸能人ではなく、自分が考えていることをそのまま歌にしたい。
世の中に流れている歌ではなく、自分の歌いたい歌を歌えるか?と訊いてきたので、
勿論出来る、と答えた。」

この会話から尾崎と須藤、二人の10年に及ぶ関係が始まった。二人は作品を作る上で、様々な話をしたという。「ある冬の寒い日、僕(須藤)が乗った満員電車の中でふと触れた制服姿の女子校生の手が余りにも冷たくて、つい握りしめてしまった。そんなことが歌になればいいね、といったことを話した。尾崎もそんな日常が詩になればいいのか、と思って詩を書き始めた。」
こうして尾崎豊が書き留めた詩は、大学ノート30冊分にも及んだ。そして「I LOVE YOU」もこの膨大な詩の中から紡ぎ出されることになる。
尾崎豊が中学時代の出来事を歌った曲、「十五の夜」。須藤晃がこの曲の誕生について語る。
「この曲は、尾崎の友人が先生に頭を丸刈りにされ、それに憤慨した尾崎と仲間が集団で家出をすることを計画、夜に集合までするが実行できずそれぞれ帰宅した、という事件がモチーフ。そんな、青春の持っている無力感、痛みを16、17歳の尾崎はどうしても歌にしたかった。それは『I LOVE YOU』にも流れている、悲しい響きだ。」
十代のやりきれない思いと悲しみ。それは誰もが経験するもの。尾崎豊はその思いを歌に込めたのだった。
そんな尾崎豊が音楽に目覚めたのは小学校4年の時。兄・康さんが弾かずに放っておいたギターを手にしたのがきっかけだった。小学校6年の時、母の誕生日にグレープの「無縁坂」を弾き語りでプレゼントし、彼女を感動させたという。
中学は、小学校5年まで過ごした練馬の学校に、朝霞から越境通学。尾崎はそこで幼い頃からの大親友と再び出会う。親友のひとり、菊地剛さんが中学時代の尾崎の素顔を語ってくれた。
「中学時代、尾崎と付き合った女の子は皆、歌をプレゼントされた。その中での最大のプレゼントは、尾崎が学園祭の時、因幡晃の『S.Yさん』という曲をその子のために歌ったもの。彼は歌詞に出てくる最後の『S.Yさん』を彼女のイニシャルに変え、しかもその直前にわざとギターのフィンガリングを間違えて皆の注目を集めた。彼にはそんなウマさがあった。」
因幡晃の曲で愛を告げた尾崎豊は、やがて自分の言葉で愛を綴り「I LOVE YOU」を作り上げる。
尾崎豊の友人が経営する店に当時の仲間が集まり、彼の思い出話に花が咲いた。
「尾崎がデビューした後も仲間同士でカラオケに行ったりしたが、『I LOVE YOU』だけは絶対歌わせなかった。それだけこの曲には特別な思いがあったのだろう。」
この曲に特別な思いを持っていた尾崎豊。彼がこの曲を作り上げるまでの心の背景には何があったのだろう。

彼が子供の頃から大切にしていた物を、父の健一さんが見せてくれた。
尾崎が2歳のとき、母に買ってもらった「難破船の少年」という絵本。
それはこんなストーリーだ。
「ある船の上で少年と少女が出会う。少女は貧しさから売られてしまい、久しぶりに親に会いに行く旅。少年は両親を亡くし、仕事を探しに行く旅だった。突然嵐が訪れ、船を飲み込んだ。激しく揺れる甲板で、少年は頭に怪我をする。少女は自分の服を破り少年の頭に巻いてあげる。やがて船が沈没しようとする時、一隻の救命ボートから声がかかった。『あと一人なら乗れる』と。少年が少女を助けてもらおうと、少女を海へ突き落とす。そして、少女は無事救出される。少年は叫ぶ『君には親がいて、君のことを待っているんだ。幸せに。』少女は、少年が沈没していく船の上で手を振っているのを見つめていた。」
「『愛と犠牲』を、自分の心に刻んだとても思い入れのある本だ、と尾崎は文章にも残している。2歳の頃に読んだ自己愛の物語が彼の感性の芽生えとなった。」
と、健一さんはこの本について語った。
また、尾崎はある時、ディレクターの須藤晃とこんな話をしたという。
「『誰かを愛するとハッピーなはずなのに、何故、切なくなるのだろう?』これについて話しているうちに、『人の命には限りがあるから、いつかは別れが来る。それが人の遺伝子の中に入っていて、人を好きになった瞬間、無意識のうちにそれが分かってしまう、だから切ないのではないか・・・・』」と。
幼くして心に愛を刻み込んだ尾崎豊。そんな彼が作り出した「I LOVE YOU」は十代の恋愛の姿を、愛の切なさ、哀しみを含めて見事に表現した。それは、17歳という年齢と彼の純粋さが生み出した名曲だった。

 

 

直筆ノート2冊の復刻版付
尾崎豊 4.25 REQUIEM
制作ノートにはあの”I Love You”が二人の筆跡で書かれていた!



1995年4月に尾崎豊生誕30周年記念としてリリースされた「4.25 REQUIEM」彼の直筆制作ノート2冊(復刻版)も加えた、尾崎ファンにとっては絶対に手に入れなくてはいけない作品です。しかし販売直後に不幸な事態が発生し、当時はほとんど流通することはありませんでした。10000部のうちわずか3000部しか販売されていない、レアものです。

  • 8cm CDには3曲が収録されています。これらの曲はREQUIEMがリリースされた当時未発表だった、デビュー前のテープをCD化したものです。
  • 12cm CDには彼の名曲8曲の演奏(ストリング、ヴォイスなし)が収録されています。
  • 尾崎の制作ノート2冊(復刻版)は、彼の直筆そのままを復刻したもので、ノートの汚れまでもが再現されています。これらには”I Love You”をはじめとする作品の制作の記録があり、ファンには是非手にしてもらいたい作品です。


このREQUIEMには制作ノート二冊の復刻版がついてきます。
ノートは「フォトコピー」で、汚れなども忠実に再現しています。

ノートを見ていると、色々な発見があり、想像が広がります。例えば、制作ノートには二人の筆跡による “I Love You” が!
その制作ノートの一部です。この筆跡は尾崎豊のものだと思われます。しかしそのすぐ左、すなわち前のページには別筆跡の女性のものと思われる筆跡で、まったく同じ詩が書き込まれています。

女性の筆跡と思われるこのテキストの方が1ページ前にあります。これは尾崎豊が口ずさんだものを第三者が書きとめたのかもしれませんね。でも、何で全く同じ内容の歌詞が右に尾崎豊本人の筆跡で書かれているのかが不思議ですね。

もしかすると、思いつきで書きとめさせた後で、右ページに修正を入れながら歌詞を書き写そうとしたけれども、一つも修正する箇所がなかったので、全く同じ歌詞がかかれているのかもしれない......そんな想像の翼を広げながらノートを読むと、時の経つのも忘れて見入ってしまいます。



CDは2枚。上の8cmCDにはデビュー前のテープから3曲を収録しています。下の12cmCDは彼の名曲10曲の演奏(ストリング、ヴォイスなし)が収められており、制作ノートを見ながらこのCDを是非聞いていただきたいと思います。

商品名 尾崎豊 4.25REQUIEM
(未開封、新品)
価格 税込み特別価格 3500円
(1995年当時、定価は3800円でした)
送料 500円
代引き手数料 300円
備考 1995年にリリースされた商品で、不幸な事情により途中で出荷が停止されたものです。現在店頭では販売されていない商品です。
(上記は発売当時のもので、現在は発売されていません)